地の果てに咲く花2
〈雷稀said〉
「雷稀兄ー。起きてー」
いつの間にか寝てたらしく、妹の桜駒に起こされる。
「雷稀大丈夫?」
最近こういうことがあるからか、母さんが心配そうに俺の額に手を当てた。
別に寝不足なわけじゃない。
ただ、気が重いことがあって。
【──今度また、久しぶりに会えませんか?──】
数年ぶりに来た、“実の母親”からの手紙。
別にあんな奴、母親だと思ったことはないけど。
俺が3歳になる頃、家を出て行った。らしい。
それから数年に1回会っていたけど、高校に入ってから一切会っていなかった。
それなのに急に来た手紙。
『……雷稀はお父さん似ね』
茶髪ボブカットの女性が笑いかける。
俺は全然母親に似てない。
唯一似てるというのならば、地毛の色である茶髪だろうか。