地の果てに咲く花2
でも、その色を見れば母さんがきっと悲しむから。
俺は父さんが母さんと再婚した後、髪を黒く染めた。
今更、あの人に会う必要なんてない。
俺を20年間育ててくれたのは父さんだし、俺に母親の愛をくれたのは母さんだ。
目の前の戯れ合う双子の弟妹を見て、俺はふっと笑った。
『……雷稀兄?』
初めて会った頃の桜駒は、警戒心が強くて。
この家に来たがってない子だった。
それが、今ではこんなにも笑うようになった。
その成長を嬉しく思う。
たとえ血が繋がってなくても兄妹だから。
愛する双子の弟妹を見つめて、俺は微かに笑った。