君の未来に、ぼくがいたこと。

再びの別れ

撮影を終えた夕暮れの帰り道。
陽翔はゆっくりと歩いていたが、突然、ふらりと足を止めた。

「……あっ……」

足元がふらつき、陽翔はそのまま地面に倒れ込んだ。

「陽翔! 大丈夫!?」
結月がすぐ駆け寄り、凛空も慌てて携帯を取り出す。

「救急車を呼ぶ!誰か手伝って!」凛空が叫ぶ。



病院の廊下。二人は廊下の壁にもたれながら祈るように陽翔の名前を呼ぶ。

「陽翔、頑張って! 起きてよ!」
結月の声は震えていた。

凛空も拳を握りしめ、必死に念じた。
「まだ終わってない。夢を、あいつの夢を諦められない。」



陽翔の意識は深い闇の中へと沈み込む。
時間の狭間へと漂うその先に、静かな光が見え始める。

(これは……また、あの世界か……)

かすかな声が耳に届く。

「陽翔……選択の時が、再び訪れている。」

彼はふわりと浮かび上がり、柔らかな光の中へと吸い込まれていった。



結月が涙を流しながら呟く。
「陽翔……絶対に戻ってきて……」

凛空も涙を拭いながら答えた。
「俺たちが、絶対に支えるから。」
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