売られた少女はクールな闇医者に愛される
橋本組との処理がほとんど終わり、雪菜がこの組にいるのも1ヶ月を切った頃、雅人にお願いして、夜間雪菜と出かける了承を貰った。
俺が雪菜の地元まで星を見に行くと言うと、えらく驚いた顔をされたが、ゆっくりしてこいと言われた。
雅人にはもう自分の気持ちはバレていると気づいていた。なので、少し恥ずかしかったが、雅人は真也や竜也と違って出かけるらしいと言い振り回るタイプではない。なので当日も何もなかったように振舞ってくれた。
夜、真希と桜以外はもういないだろうと言う時間に台所に行った。その日は忙しかったのか、まだ未洗いの皿が大量に残っていた。
ただ気が利く真希と面倒見がいい桜が行っていいよと言ってくれたので、雪菜は早めに切り上げられた。
桜の服を着た雪菜を見た時はかわいくて抱きしめたいと思った。白い肌にピンクのカーディガンがよく似合う。いつもと違って可愛く結った髪の毛に目が釘付けになった。
桜もいるし、恥ずかしさを隠すため、行こうとだけ言って見た目について触れなかった。
雪菜は久しぶりの外ということもあり、とても楽しそうだった。サービスエリアではさつまいものタルトを大興奮して食べていた。
あまりにも無邪気に喜ぶ姿が愛おしくて、何度も触れたくなった。
雪菜はあまり過去について話さないが、地元が近づくと少しずつ昔の話をしてくれた。
自分の両親のことを話す姿はすごく楽しそうで、雪菜は本当に愛されて育ったことが想像できた。雪菜の優しい心根は素敵な両親から授かったものなのだろう。
星空を雪菜は大きな目をさらに大きくして、見上げていた。風で白いフレアスカートがなびく。
その姿がとても綺麗だった。きっと雪菜との最初で最後のお出かけになるだろう。その美しくも儚い姿が暗い星空と共に目に映る。
俺はこの風景を一生忘れないだろうと思った。
雪菜に組を離れてからも元気でなと雰囲気も相まって感傷的な話をした。そして、背中のマークのことを伝えようとした時、雪菜に好きだと言われた。
俺だけが好きなんだと思っていた。雪菜にとって極道を生きる俺はそういう対象にならないと思い込んでいた。
雪菜に好きだと抱きつかれたら、嬉しくて胸がキュッとなる。だけど、一緒になんてなれるわけがない。雪菜を極道の世界には引き込めないのだから。
俺はなんとか残っていた理性で雪菜の手を離した。
彼女は離れたくないと首を横に振る。
彼女はここに来てから1度だってわがままを言ったことがない。どんなに怖くても痛くても辛くても我慢していた。そんな彼女の初めてのわがままが愛おしくて、俺は涙目の彼女の唇にキスをした。
それからの日々は時間があれば彼女のことばかり考えていた。彼女が働く姿が見える度、目で追いかけた。別れのタイムリミットまで彼女を目に焼き付けようと思った。
俺が雪菜の地元まで星を見に行くと言うと、えらく驚いた顔をされたが、ゆっくりしてこいと言われた。
雅人にはもう自分の気持ちはバレていると気づいていた。なので、少し恥ずかしかったが、雅人は真也や竜也と違って出かけるらしいと言い振り回るタイプではない。なので当日も何もなかったように振舞ってくれた。
夜、真希と桜以外はもういないだろうと言う時間に台所に行った。その日は忙しかったのか、まだ未洗いの皿が大量に残っていた。
ただ気が利く真希と面倒見がいい桜が行っていいよと言ってくれたので、雪菜は早めに切り上げられた。
桜の服を着た雪菜を見た時はかわいくて抱きしめたいと思った。白い肌にピンクのカーディガンがよく似合う。いつもと違って可愛く結った髪の毛に目が釘付けになった。
桜もいるし、恥ずかしさを隠すため、行こうとだけ言って見た目について触れなかった。
雪菜は久しぶりの外ということもあり、とても楽しそうだった。サービスエリアではさつまいものタルトを大興奮して食べていた。
あまりにも無邪気に喜ぶ姿が愛おしくて、何度も触れたくなった。
雪菜はあまり過去について話さないが、地元が近づくと少しずつ昔の話をしてくれた。
自分の両親のことを話す姿はすごく楽しそうで、雪菜は本当に愛されて育ったことが想像できた。雪菜の優しい心根は素敵な両親から授かったものなのだろう。
星空を雪菜は大きな目をさらに大きくして、見上げていた。風で白いフレアスカートがなびく。
その姿がとても綺麗だった。きっと雪菜との最初で最後のお出かけになるだろう。その美しくも儚い姿が暗い星空と共に目に映る。
俺はこの風景を一生忘れないだろうと思った。
雪菜に組を離れてからも元気でなと雰囲気も相まって感傷的な話をした。そして、背中のマークのことを伝えようとした時、雪菜に好きだと言われた。
俺だけが好きなんだと思っていた。雪菜にとって極道を生きる俺はそういう対象にならないと思い込んでいた。
雪菜に好きだと抱きつかれたら、嬉しくて胸がキュッとなる。だけど、一緒になんてなれるわけがない。雪菜を極道の世界には引き込めないのだから。
俺はなんとか残っていた理性で雪菜の手を離した。
彼女は離れたくないと首を横に振る。
彼女はここに来てから1度だってわがままを言ったことがない。どんなに怖くても痛くても辛くても我慢していた。そんな彼女の初めてのわがままが愛おしくて、俺は涙目の彼女の唇にキスをした。
それからの日々は時間があれば彼女のことばかり考えていた。彼女が働く姿が見える度、目で追いかけた。別れのタイムリミットまで彼女を目に焼き付けようと思った。