あなたの子ですが、内緒で育てます
 ロゼッテときたら、この調子だもの。
 しっかりした子なら、よかったのに、ぼんやしているところは、ルドヴィク様にそっくり。
 ロゼッテを連れて、セレーネの部屋へ向かう。
 すでに、わたくしが仕組んだ罠は始まっている。

「セレーネ、少しよろしいかしら?」

 セレーネの部屋を訪れると、そこにはルチアノと侍女がいた。

 ――ちょうどいいわ。役者が揃っているとはこのことよ!

 なにも知らないセレーネは、ロゼッテに微笑みかけた。

「ロゼッテ。ルチアノといつも遊んでくれてありがとう。今から、侍女たちとルチアノが町の子供たちに持っていくキャンディを作るの。よかったら、ロゼッテも一緒にどうかしら?」
「キャンディ……」

 興味があるようだったけれど、ロゼッテにやらせることではない。

「ロゼッテは王女なのよ! 侍女たちがやるようなことをさせるわけがないでしょっ! そうでしょ? ロゼッテ?」
「う、うん。わたし、やりたくない。王女だもん!」

 セレーネは眉をひそめた。
 お妃候補時代の時もそうだった。
 わたくしがなにか言うたび、不快な顔をした。
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