あなたの子ですが、内緒で育てます
 国王陛下でいらっしゃるルドヴィク様が、他の女性を望んだのなら、側妃として迎え入れることも王妃として覚悟していた。
 でも、それは『王妃として』である。
 まさか、王妃でなくなる可能性など、私に考えられただろうか。
 ルドヴィク様とうまくいっていると信じていた私が……

「セレーネ様、陛下がお呼びです」
「ええ……」

 嫌な予感がした。
 まるで、さっきの夢の続きのよう――震える足に力を込め、なんとか立ち上がった。
 部屋を出ると、兵士たちがいた。
 私の部屋の入り口前に、見張りがいる。
 護衛ではなく、デルフィーナのそばへ行かないように監視されているのだ。
 まるで、罪人のように兵士たちに周りを囲まれ、ルドヴィク様の部屋へ案内される。
 部屋からは楽しげな声が聞こえてきた。

「わたくし、ずっとルドヴィク様を慕っておりましたのよ。それなのにセレーネばかり、そばに置いて」
「仕方なかったのだ。周囲は優秀なセレーネを妃にしろと、うるさかったからな」
「セレーネのどこが優秀なんですの? 外見だけ、もてはやされた無能な王妃ですわ」

 ここでも、無能と言われている。
 私のなにがいけなかったというのだろう。
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