あなたの子ですが、内緒で育てます
耳に入らないよう注意を払っているけれど、王宮内で噂になっているから、知っているかもしれない。
けれど、デルフィーナが帰ってきたと知れば、きっと喜ぶ。
「デルフィーナ。ロゼッテは元気でいる……」
元気でいるわよと、教えようとしたその時。
デルフィーナがドレスの中に、隠し持っていた物が見えた。
それは銀色の刃――デルフィーナの手には短剣が握られていた。
その刃はザカリア様へ向けられている。
「ザカリア様っ!」
私の叫ぶ声に気づいたデルフィーナは一瞬だけ、こちらを見た。
けれど、デルフィーナは止まらなかった。
けれど、デルフィーナが帰ってきたと知れば、きっと喜ぶ。
「デルフィーナ。ロゼッテは元気でいる……」
元気でいるわよと、教えようとしたその時。
デルフィーナがドレスの中に、隠し持っていた物が見えた。
それは銀色の刃――デルフィーナの手には短剣が握られていた。
その刃はザカリア様へ向けられている。
「ザカリア様っ!」
私の叫ぶ声に気づいたデルフィーナは一瞬だけ、こちらを見た。
けれど、デルフィーナは止まらなかった。