あなたの子ですが、内緒で育てます
 だが、あえて、それは口にしない。

「今回の件は、お前たちのいいように発表しろ。だが、俺がすべて知っているということを忘れるな」

 貸し一つならぬ、弱味を握られた大臣たちは頭を垂れた。

「俺がいる限り、ルチアノをお前たちの傀儡にするつもりはない」

 そう告げると、大臣たちに背を向けた。
 王家に干渉してきた大臣たちの時代が終わり、新しい時代が来る――いや、そういう時代を作るのだ。
 セレーネたちとともに。
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