あなたの子ですが、内緒で育てます
修道院にいるデルフィーナは、貧しい人々に食事を持っていったり、病気の人の世話をするなど、修道女として頑張っているそうだ。
「寂しくなったら、ロゼッテのお母様やお父様の姿をぼくが見て、伝えてあげるよ」
「ありがとう、ルチアノ」
子供たち二人は、そんな会話をしていた。
「ルチアノは本当にしっかりした子に育ったな。後見人が必要か?」
「ええ。《《ザカリア様が》》必要ですわ」
「なるほど」
後見人ではないあなたも――死ぬまで、お互いが必要です。
そう心の中で私が言うと、ザカリア様が微笑み、手を取る。
あの日、王宮から私を連れ出したのと、同じ手を私は再び握りしめた。
今度は逃げるためではなく、共に歩むために。
――この手をずっと待っていた。
【了】
「寂しくなったら、ロゼッテのお母様やお父様の姿をぼくが見て、伝えてあげるよ」
「ありがとう、ルチアノ」
子供たち二人は、そんな会話をしていた。
「ルチアノは本当にしっかりした子に育ったな。後見人が必要か?」
「ええ。《《ザカリア様が》》必要ですわ」
「なるほど」
後見人ではないあなたも――死ぬまで、お互いが必要です。
そう心の中で私が言うと、ザカリア様が微笑み、手を取る。
あの日、王宮から私を連れ出したのと、同じ手を私は再び握りしめた。
今度は逃げるためではなく、共に歩むために。
――この手をずっと待っていた。
【了】


