あなたの子ですが、内緒で育てます
 思えば、デルフィーナも活発な少女だった。
 家に縛られることなく、お妃候補に選ばれなかったら、自分の好きなように生きれたはずだ。
 ロゼッテのように女騎士を目指していたかもしれない。

「ジュスト。これでよろしいのです。子供たちがやりたいと言っているのを止めて、可能性を摘むのはやめましょう」

 ほらねっと、ロゼッテはジュストに得意気な顔をしてみせた。

「でもね、ロゼッテ。だからといって、淑女のためのマナーをおろそかにしてはいけませんよ? 剣をやるのと同じくらい他のことも頑張るのよ?」
「はいっ!」

 剣の稽古を許されて嬉しかったのか、ロゼッテは元気な返事をした。
 ジュストは肩を落とし、ザカリア様に助け船を求めていた。

「ジュスト。剣を教えてやれ」
「いいですけど、領地に戻るまでですからね」
「はーい」
「ぼくも!」

 歴代で一番、賑やかな王宮になりそうだ。
 ロゼッテがルチアノに言う。

「あのね、ルチアノ。お父様とお母様に会う時、ついてきてほしいの」
「うん。いいよ」

 ロゼッテは心の傷のためか、一人で両親に会いに行くことが怖いようだった。
 離宮で静養しているルドヴィク様は、一命をとりとめたものの、体がうまく動かせなくなった。
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