あなたの子ですが、内緒で育てます
「泣かれても、なんと言っていいか、俺はわからない」
「申し訳ありません……」
ルドヴィク様とザカリア様は腹違いの兄弟で、外見も声も似ていない。
ザカリア様はプラチナブロンドに青い目、ルドヴィク様はダークブロンドに茶色の目をしている。
先代国王と似ているルドヴィク様と、お母様似であろうザカリア様。
表情もルドヴィク様は上手に作り、無愛想なところがほとんどなかった。
……デルフィーナを妻とするまでは。
「ザカリア様。身を隠せる場所はないでしょうか。デルフィーナは、私を憎んでいて、どこにいようと探し出そうとするはず……」
「そのようだな。ジュストから報告は受けている」
「安全な場所に住まわせていただけるなら、小屋でも構いません」
「小屋? そこで暮らすと?」
「手持ちの宝石がありますから、それを売って暮らします」
「宝石が尽きたら?」
馬車の御者に合図をし、馬車が王都の門に向かって動き出す。
「仕立ての仕事をします。裁縫なら少々、できますので……」
「世間知らずだな。仕立て屋が元王妃を雇えるわけないだろう」
ザカリア様に呆れられてしまった。
「申し訳ありません……」
ルドヴィク様とザカリア様は腹違いの兄弟で、外見も声も似ていない。
ザカリア様はプラチナブロンドに青い目、ルドヴィク様はダークブロンドに茶色の目をしている。
先代国王と似ているルドヴィク様と、お母様似であろうザカリア様。
表情もルドヴィク様は上手に作り、無愛想なところがほとんどなかった。
……デルフィーナを妻とするまでは。
「ザカリア様。身を隠せる場所はないでしょうか。デルフィーナは、私を憎んでいて、どこにいようと探し出そうとするはず……」
「そのようだな。ジュストから報告は受けている」
「安全な場所に住まわせていただけるなら、小屋でも構いません」
「小屋? そこで暮らすと?」
「手持ちの宝石がありますから、それを売って暮らします」
「宝石が尽きたら?」
馬車の御者に合図をし、馬車が王都の門に向かって動き出す。
「仕立ての仕事をします。裁縫なら少々、できますので……」
「世間知らずだな。仕立て屋が元王妃を雇えるわけないだろう」
ザカリア様に呆れられてしまった。