私達には婚約者がいる【菱水シリーズ④】
望未のドアは外から内へと続いていて、暗い部屋の中にいる俺を問答無用で引きずりだす。
暗闇の中に赤い火を灯すように。
俺は煙草の火を消して、望未のそばに行く。
「お前も梶井だ」
望未は俺を見上げ、照れながら結婚指輪をした手を絡めた。
「そうでした。理滉、怒ってる?」
連絡もせず、勝手に来たせいで俺が怒るかもしれないと思っていたらしい。
「そんなわけないだろ」
屈んで抱き締めると、背伸びをした望未が俺をぎゅっと抱き締め返す。
気が付くと苛立ちは消え、心は穏やかだった。
このぬくもりが欲しかったのだ。
子供のように―――俺は望未を待っていたのだと知った。
いつもそばに【了】
暗闇の中に赤い火を灯すように。
俺は煙草の火を消して、望未のそばに行く。
「お前も梶井だ」
望未は俺を見上げ、照れながら結婚指輪をした手を絡めた。
「そうでした。理滉、怒ってる?」
連絡もせず、勝手に来たせいで俺が怒るかもしれないと思っていたらしい。
「そんなわけないだろ」
屈んで抱き締めると、背伸びをした望未が俺をぎゅっと抱き締め返す。
気が付くと苛立ちは消え、心は穏やかだった。
このぬくもりが欲しかったのだ。
子供のように―――俺は望未を待っていたのだと知った。
いつもそばに【了】


