あなたがいてくれるから
𝑷𝒓𝒐𝒍𝒐𝒈
ーあの日からずっと、真っ暗な夜の中を歩き続けているような。
『りっくん』
細い腕。細い身体。
儚げな表情で、俺を呼ぶ“お母さん”
『りっくんは、お母さんを置いていかないよね……っ?』
“愛の裏切り”で、壊れてしまった彼女は今も日々、泣いて暮らしている。
大きな、物の少ない家の中で。
かつては幸せそうに笑っていたお母さんは、
身体が弱いお母さんはいつも泣いている。
『……うん、置いていかないよ』
だから、“俺”は笑うのだ。
お母さんが求める答えを、口にする。
大丈夫。……俺は、大丈夫。