全部、俺のものになるまで

【5】禁じられた夜、義父とともに

今夜、私は亡くなった母に、最後の別れを告げなければならなかった。

「うっ……くっ……」

喉の奥で声が詰まり、涙が頬を伝う。

まだ若かった母。

あまりに突然の事故だった。

信じたくない、でも、現実は変わらない。

私は、たったひとりになってしまった――。

その時だった。

「心音。」

背後からそっと呼ばれ、振り返ると、母の再婚相手である和臣さんがいた。

喪服に身を包んだその姿は、いつもよりずっと遠く感じられて、でもどこか安心した。

「辛いよな。でも、ひとりじゃない。」

そう言って、私の手を包み込むように握ってくれた。温かい。その温もりに、私は身体を震わせた。

ずっと、好きだった。

母がいたから、絶対に言ってはいけない想いだった。でももう、母はいない。

禁じられた恋が、喪失の悲しみの中で、静かに胸の奥から顔を出した。

和臣さん、あなたに触れられるたび、私は自分を止められなくなりそうで怖い。
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