かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜
命に別状はないと分かってひとまず安堵する。

だけど…利き腕の粉砕骨折。聞くだけで肝が冷える言葉だ。
手術をしてリハビリをして…もともとがボディケアの専門家だから回復は人より早いかもしれないけど。
日常生活に戻れるようになるには、どれくらいかかるんだろう?
その間、ティトの世話は?

ノーマンは映像作家という職業柄、出張に行ったりスタジオにこもることが多いと聞いている。
しばらく仕事をセーブすることになるのだろうか。

余計なお世話だけど、彼らの生活のことが気になってくる。
ノーマンはフリーランスになったばかりだから、今はどんな小さな仕事も逃せないとも言っていた。
夫婦ともに仕事が十分にできない…状況はけして明るくないだろう。

アメリカは日本と違って、国民皆保険制度がない。個人で保険を選んで加入し、コースに応じた掛金を保険会社に払うシステムになっている。
そして医療費は高額なことで知られている。

先生は手術の補償がある保険に入っているだろうか?

とりとめのない思考の根っこは一つだ。
何か、何でもいい、わたしにできることはないだろうか…
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