ひとりぼっちの転生幼女でしたが、最愛の家族ができました~実は神子だった私、ハイスペ兄から溺愛されつつ癒しの才能発揮します!~

 この世界では灰色や茶色の髪と目の色は珍しくないようで、施設にいる他の子どもたちも似たような色あいを持っている。
 前世で読んでいたネット小説にあるような、カラフルな髪色の転生者ではなかった模様。ちょっと残念。

 うん。ジワジワと今の私に前世の私(?)が馴染んできている気がする。前世の私の感覚で、現状を把握できるようになってきている。たぶんだけど。

「あら、もう起きていたの?」

「せんせ、おはよ、じゃいま」

 丁寧な言葉を使おうとすると、ハキハキと話せないのは幼女だからか。
 いや、違う気がする。言葉がうまく出てこない。日本人だった私と、今の自分では言葉が違うのかもしれない。
 頭の中で文章を組み立てるのに時間がかかるし、発する音の違和感がひどい。慣れるまで時間がかかりそうだ。

 声をかけてきたのは、いつも世話をしてくれる女性だ。私たちは先生と呼んでいるけど、名前は知らなかったり。よく見たら前世で見たことがある神官のような服装だから、やっぱりこの施設は教会とか神殿なのかもしれない。

「はい、おはようございます。いつも三番はいい子ね」

「えへへ」

 番号で呼ばれるのは、施設を出る時に名前を与えられることが多いからだと聞いている。私は密かにその日を楽しみにしていた。

 あれ? 前世の私は名前があったと思うんだけど……なんだったっけ?

「三番は、皆を起こせるかしら。神(じん)王(おう)様(さま)から賜った朝食の時間に間に合うように」

「あい!」

 シュピッと手をあげて元気に返事をした私は、ペタペタと寝室へ向かって歩き出す。

 うむ。なるほど。

 前世の記憶が戻るまでの私は「ジンオウサマ」という言葉を聞き流していた。改めて頭の中で漢字変換されて、ようやく納得した。
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