片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「豊臣さん、なんだか嬉しそうですね?」
「ああ、ごめんね。実は最近、彼氏が出来て……」
「ええ!? おめでとうございます!」

 同僚達は私の交際を、とても喜んでくれた。
 相手はどんな人なのかと根掘り葉掘り聞かれたが、惚れられても困る。
 のらりくらりと言葉を濁して質問を交わし続けた。

「そう言えば豊臣さんって、最近電車を使い始めましたよね?」
「あ、うん……」
「やっぱり! 背が高くてグラマラスな体型をしているので、すごく目立つんですよねー」
「ああ、分かる。スタイルいいもの」
「出るところ出てて、ハイヒールが似合って! レースクイーンみたいな感じ!」
「アトラクションクルーにしとくの、もったいないですよねー」

 彼女達はセクハラギリギリのラインで話の種を広げると、私の容姿を貶しているんだか褒めているんだかよくわからない微妙な会話を繰り広げ始めた。

「豊臣さんは喋ると親しみやすいけれど、無言で立ち竦んでいる時はセクシーな大人の女性に見られやすいんだから……」
「また、下着泥棒の被害に合ったら大変ですもん。気をつけてくださいね!」
「心配してくれて、どうもありがとう。気をつけるね……」

 私は苦笑いを浮かべ、彼女達と別れてロッカールームをあとにした。
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