片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
――あれ……?
最寄り駅に到着した私は、後方から強い視線を感じてキョロキョロとあたりを見渡した。
――あの人……。イルデンを出てから、ずっとついてきているような……?
離れた場所でこちらの胸元をじっと見つめる男性の服装には、見覚えがあった。
6年前に開催された25周年記念のTシャツを着ている人なんて滅多にいないから、強く印象に残っていたのだ。
――どうしよう。
このまま家に帰って、いいのかな?
つねに最悪の場合を想定するべきだと考えた私は駅近くのファストフード店に入店し、ポテトを注文しながら婚約者に電話をかける。
『どうした』
彼は意外にも、2コールで出た。
まさかこんなに早く声が聞けるとは思わなくて、うまく言葉が出てこない。
「あれ? 今日、仕事……」
どうやら自分が思っている以上に、混乱しているらしい。
こんな時こそ平常心でいなきゃいけないのに。
圭信の声を聞いたら安心してしまい、泣きそうになる。
『どこにいる』
「駅前の……」
『すぐに行く』
涙声で自分の居場所を伝えれば、圭信は電話を繋げたままこちらに向かってくれたようだ。