片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 圭信のお母様は満面の笑みを浮かべ、酔っ払うと彼が私のことを大好きおばけになって手がつけられなくなるのだと嬉しそうに話してくれた。

『実は私達が結婚するきっかけは、酔っ払った勢いで襲われ逃げられなかったからです』

 なんて、口が裂けても言えない私は、苦笑いを浮かべるしかない。
 そんなこちらの反応を目にした圭信は、ご両親に向かって仕切り直した。

「――とにかく。僕は彼女と結婚する。異論はないな」
「もちろん! 愛想つかされないようにしなさいよ?」
「ああ」

 元気で明るいお母様と、無口なお父様。
 そんな2人から了承を得た彼は、もうここに用はないとばかりに席を立つ。

 ――顔を合わせて、まだ10分も経ってないけど……。
 もう、帰るのかな?
 長居も失礼だけど、早すぎるのも問題だ。
 私はもう少しここにほうがいいのではないかと、圭信に目線で訴えかけた。

「これから、豊臣家へ挨拶に向かう」
「そうなの? だったら、こちらからも何か……」
「い、いえ! お気遣いなく!」
「あら、そう?」
「はい! 慌ただしくて、申し訳ございません……」
「愛奈さんが謝ることじゃないわ! 気にしないで?」
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