片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 彼はご両親に予定があると告げ、玄関に向かって歩き出した。
 こうなってしまえば、リビングに居座り続けるのは返って失礼になる。
 私は靴を履いて、外に出る準備を済ませた。

「今度は圭信抜きで、遊びに来てね?」
「はい! ぜひ!」
「愛奈に余計なことを吹き込むつもりなら、やめてくれ」
「あらやだ。そんなことしないわよ~。ねぇ? あなた?」

 お父様は無言で視線を逸らすと、お母様の問いかけを無視した。
 ――口数の少ない人って、何を考えているかわからないから不安だ……。
 私は内心息子にふさわしくない女性だと罵られていたらどうしようと怯えた。

「愛奈。どうした」
「へ? いや。なんでもないよ!?」
「顔色が……」
「気のせいだって~!」

 慌てて作り笑顔を浮かべたが、圭信の目はごまかせない。

 ――だけど……。
 まさかご両親の悪評が恐ろしくて不安になっていますなんて、2人の前で言えるはずもない。
 理由を誤魔化すなと視線で訴えかけてくる彼に対して無言を貫けば、空気を読んだお母様が助け舟を出してくれた。
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