片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
 圭信と一緒じゃないのは寂しいが……。
 行き帰りを一緒に過ごせるだけで満足だと思うべきだろう。
 そう考えた私はさっそくスマホを操作して、薊に連絡を取った。

『圭信の許可、取れたよー! 参加する!』
『じゃあ、いつもの居酒屋に集合ね』

 私は了解のスタンプを押して、スマートフォンを離す。
 彼はこちらの視線に気づいたのか、覚束ない手つきで画面をタップしてしながら顔を上げたのが印象的だった。

「男子会も居酒屋集合?」
「ああ。その予定だ」
「おんなじ場所で別れて話し合うとか、意味あるのかな?」
「あそこは半個室だ。別々の席に案内されたら、周りの声は気にならない」
「なんだか、変な感じだね。同じ場所にいるのに、別々の部屋で飲み食いするのって」
「4人では、話しづらいこともあるだろうからな……」

 圭信は気まずそうに視線を逸らすと、それを誤魔化すように私を抱きしめた。

「ソフトドリンクだけにしてね。木賀くんに迷惑だけは、かけないように」
「ああ。心得た」
「翌日は私、仕事だから! もしも無理やり飲まされて酔い潰れても、置いてくからね!?」
「安心してくれ。君に不安な思いはさせない」

 ――ほんとかなぁ……?

 きりりと真面目顔で呟く彼に疑いの眼差しを向けながら、私達は飲み会の日を楽しみに待ち続けた。
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