片想い歴20年 エリート警視は同級生に激愛を注ぎ込む
「よかった! じゃあ、これからも名前で呼ぶね!」

 ――満面の笑みを浮かべて僕の名を呼ぶ彼女が、好きだ。

「そう言えば、この間告白されたんだー。もう、びっくりだよね。すぐに断ったんだけど。圭信は? 女の子から愛を囁かれたことって、ある?」

 ――誰にも奪われぬように閉じ込めてしまいたいほど、愛している。

「恋愛など、くだらない」
「あはっ。圭信なら、そう言うと思ってた!」

 愛奈と言葉を交わすたびに、彼女に対する想いを増幅させていたのに――。
 断られるのが怖かった僕は、その気持ちを伝えられぬまま大人になってしまった。

 ――この気持ちは一生彼女に伝えることなく、墓場まで持っていくことになるかもしれん……。

 そんなやりきれない想いを発散するべく酒に溺れては、同級生に迷惑をかけた。
 そんな自分が情けなくて仕方がなかった。

 ――僕だけの最愛。
 世界で一番好きな女性を手に入れるチャンスは、ある日突然やってくる。

「あれ? 圭信?」

 彼女が下着泥棒の被害に遭った現場に、偶然居合わせたのだ。

 ――これを逃す手はない。

 僕は愛奈を言いくるめて自宅に連れ込み、彼女を絡め取る準備を始めた。
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