【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!
「孤独って、寂しいよね。……私はずっと、一人だった気がしてた」
夫婦になったら、二人で生きていくものだと思ってた。 でもそれは、私だけが感じていたことだと思った。
「夫婦はさ、二人で一つ……とかよく言うけど、それってどうなんだろうね」
明日那の言葉を聞いたらなおさら、私にはそう感じられなかった。
「……二人で一つじゃなくて、一人で一つだった」
「まあでも、これからなっていけばいいんじゃない?二人で一つにさ」
「え……?」
私が俯いていた顔を上げると、明日那は「これから彼と、なっていけばいいじゃない。 二人で一つに」と微笑む。
「今からでも遅くないじゃない。これからやり直していけばいいのよ、アンタの未来なんて、これからなんだから」
私は明日那にそう言われて、なんだか吹っ切れた気がした。
「そうだね……。私、眞紀人くんと恋は始まったばかりだもんね」
「そうだよ。菫花はこれから、本当の幸せを見つけられると思うよ」
私は「うん」と頷くと、「ありがとう」と微笑んだ。
「明日那がいないと私、生きていけないかも」
「え? 大げさよ」
「大げさじゃないよ。本当のことだよ」
私にはどんな時でも明日那が必要なんだ。
「ありがとう」
「こちらこそ、ありがとう。 明日那が話聞いてくれたから、スッキリした」
「なら良かった。 また悩んだら、今度は飲みに行こう。美味しいハイボールのお店知ってるの」
「え、そうなの? それは悩んでなくても行きたいよ」
明日那はお酒なかなか強いから、たくさん飲みそうだけど、明日那と飲むと本当に楽しいんだよね。
イヤなことを忘れられるし、なんか楽になる。それは、明日那だからだと思う。