【完結】バツイチですが、恋人のフリをお願いした年下イケメンくんからアプローチされて困ってます!


 明日那にそう言われて、目が覚めた。

「そうだよね。 そもそも私のこと愛してない人と、幸せになんてなれる訳ないよね」

「そうそう。 アンタにはもう眞紀人っていう彼氏がいるんだから、眞紀人のことだけ愛してあげればいいのよ」

 明日那は本当にスパッとしているし、なんならサバサバしている方ではあるから、明日那に言われるとハッとさせられることの方が多い。

「私はさ、アンタが傷付いた姿をもう見たくないのよ。 元旦那と結婚するって決まった時は、もちろん私も嬉しかったし、菫花が幸せならいいなと思ってた。……でもあの時の菫花よりも、今の菫花の方がずっといいと思う」

「え? そう、かな……?」

「そうよ。私はさ、アンタのことずっと見てきてるからわかるの。 私は、今の菫花の方が菫花らしくて好きかな」

 私らしい、か……。なんだろう、私らしいって。

「考えてみたら、菫花は本音を元旦那には言えなかったんでしょ? 言い出すのが怖かったから」

「……うん。確かに、言えなかった」

 ちゃんと文晶と話したいと思ったし、話し合いする時間を作りたかった。 でも文晶にいつもはぐらかされてばかりで、話すことも出来なかったのは確かだ。

「夫婦なのに本音を言えないってさ……虚しくない? なんのために夫婦になったのか、わからなくなりそうだし」

「それは……そうだよ。 私もそうだった」

 今なら明日那が結婚したくない理由が、なんとなくわかる気がする。

「私は夫婦になっても、心のどこかでずっと感じてた。……孤独を」

「孤独、ねえ……」

 夫婦でいるのに孤独なのって、一番辛く感じるんだ。 一緒にいるのに心が離れているように感じるのって、やっぱり虚しいだけだった。
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