恋愛禁止ダンジョン、攻略中。



りんはスマホ画面を見つめたまま、口をぽかんと開けていた。


《今日のミッション:放課後、ペアと一緒に1時間以上すごせ♡》





「……えっ。ちょ、まって。えっっ!? 恋人“っぽく”って、どのくらい!? 本気のカップル? それともゆるふわバラエティ!?」





今まで駅まで一緒に帰ったことはあったけど、ほんの十数分だけだった。
1時間以上過ごすだなんて、緊張する。





「じゃ、いこっか。放課後デート」





霧島くんの自然すぎる言い方に、りんは心臓がひっくり返るかと思った。
まるで、ふつうに“好きな人”とデートするみたいな——そんな響きで。





「で、デートって、どこに!? ていうか、そういうの初めてで!!」

「俺も。たぶん。でも一時間なら、ちょっと歩いてアイスでも食べたら、ちょうどいいかも」





軽く言われて、りんはうっかり「かっこいい〜〜〜!!!」と叫びかけたけど、どうにか飲み込んだ。
いけない、これはミッション。これは恋愛じゃない。遊びじゃない……いや、遊びだけどアプリ的に真剣……うん??


脳内パニックを抱えたまま、二人は駅前まで歩いた。
まだ、りんの“ときめき度”は静かだった。でも、それもきっと——長くはもたない。

 
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