その恋、連載にしてやるよ〜人気作家に溺れていくなんて、聞いてません〜
「……その、恋愛してないことが、採用理由……なんですか。」

「まあ、あの人の性癖みたいなもんだ。」

最低だ。

でも――

妙に納得できてしまった。

なぜだろう。私の中の何かがざわついていた。

「週末、指定されたバーで打ち合わせが入ってる。19時だ。スケジュール空けておけ。」

編集長が言った瞬間、机の上にメモが置かれた。

見慣れないバーの名前と、“神堂 慧・直通”という番号。

燃えるような赤いインクで書かれていた。

編集長が机の上に置いたメモを見て、私は思わず声を上げた。

「……直通⁉」

「そう。神堂先生、夜型なんだよ。昼は一切出ない。だいたい原稿も、深夜に送ってくるタイプだ」

「……嫌です」

「……は?」

「夜も担当に振り回されるなんて、生活壊れます。睡眠時間だって必要だし、プライベートも……」

言いかけて、編集長と目が合った。
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