相棒をS級勇者に奪われた俺、スキル【力の前貸し】で勇者を破滅へ導く!~全てを負債地獄に叩き落とし、新たな魔王として君臨する!
第19話 攻防
ラミアが息を吐く。
それは火炎となり、俺たちを襲った。
「伏せろ!!」
とっさにルーナをかばう。
身を伏せると、炎が頭上を駆け抜けた。
「!?」
視線を外した隙に、ラミアが目前に迫る。
槍が振り下ろされようとしていた。
腹に血が滲む。
少し掠ったのだ。
だが、それは魔防から速さへの流動が間に合った証。
遅れていれば、串刺しだった。
「ルーナ、今すぐ避難しろ。火の粉が届かない距離まで」
「……分かった。ありがとう」
心配そうな表情だが、察しよく退避する。
……これで、奴に集中できる。
「鑑定《アプレイザル》」
魔力4000.....。ステータスに偏りなし。
つまり、弱点がなく一点突破は難しい。
「召喚《サムン》解除」
分身では歯が立たないと判断し、戻す。
「あら、お仲間さんは参戦しないの?」
「二人きりで戦うべきだと思ってな。それなら、告白を断ったお詫びになるだろ?」
挑発も込めて、建前を伝える。
「ふふっ、粋な計らいね。いいわ、二人きりの刺激的な時間を楽しみましょう?」
再び息を吐く。
今度は小刻みに。
複数の火炎が、別々の方向から迫る。
(くそっ。避けられなきゃ、速さは意味がねぇ)
その刹那、大量の火が降り注ぐ。
辺り一面が真っ赤に染まる。
呼吸のたび、肺が焼けそうだ。
……何とか魔防に振ったが、休む暇もない。奴はすぐに別の攻撃を仕掛けるハズ。
「!!」
来た。
炎で視界が悪い中、気配が。
とっさに魔力の半分を防御に回す。
構えた瞬間――
目の前の炎が裂けた。
(槍だと!?)
勢いよく迫る槍は、炎と一緒に俺を吹き飛ばす。
「はあ~い。私はこっちよ」
背後から忍び寄るラミア。
拳が迫る。
「あぐっ!」
殴られる前に槍を外し、カウンターを放った。
槍のリーチの方が、勝ったので反撃に成功する。
魔力を攻撃に回し、槍に力を込める。
「あ……あ」
よし、このまま腹を貫く――
奴の口から赤い炎が広がる。それを見て、すぐに距離を取った。
当然、速さに切り替えた上で。
「ふふっ、残念ね。私に致命打を与える絶好の機会だったのに」
余裕ぶっているが、表情には少し焦りが見える。
……とはいえ、追い詰められているのは俺の方。
(チャンスが来ても、踏み込めねぇ)
攻撃に対応するには、守りに徹するしかない。
つまり、攻めに出る余裕がない。
ステータスの切り替えに時間がかかるせいだ。
何か方法はないか……。
「間近で見て、分かったことがあるわ」
ラミアが迫る。
「あなたの能力、魔力を流すことでしょ?」
奴の手から炎が放たれる。
すぐに魔防へ流し、熱を受け止める。
「ほら、微かに”流れ”を感じるわ」
奴が背後に回った。
「魔力を貸し借りできるのも、相手を介して流せるから?」
……こいつ、洞察力が異常だ。
ラミアが槍を振る。
俺は防御の構えを取った。
そして──さらに接近したその瞬間、
「黒炎流波」
最大火力の魔法を放つ。
「あ゛っつ──」
守りに回ったと思わせておいて、あらかじめ魔法に全振りしていた。
「っ!!」
ラミアはすぐに離脱。
掠ったが、直撃は避けたようだ。
「盲点を突くなんて。侮れないわね」
肩で息をしている。
だいぶ消耗したか。
「でも、勝つのは私よ。……あなたの能力は、もう見切った」
「……それは興味深いな。ぜひ理由を聞かせてくれ」
ラミアは舌なめずりをして、口角を上げる。
「ステータスを切り替えるとき、体内に能力を架けているわね?」
見事だ。この短時間で、そこまで見抜くとは。
「……貸し借り、どちらの能力かまでは分からないけれど」
「!!」
思わず笑みが漏れる。
その言葉で、逆転の糸口が見えた。
「……で?それが分かったのと、俺の負けにはどう繋がる?」
「簡単な話よ。あなたの内側の流れ方を見れば、どのステータスに振っているかが分かる」
ラミアがエネルギーを纏い始めた。
「つまり、ガラ空きのステータスを狙えるってこと」
両手から広範囲の炎が放たれる。
俺の距離を超えて、火の波が迫る。
そして、両腕を閉じた。
左右から炎が挟み撃ちに。
周囲は火の嵐に包まれる。
逃げ道は上空だけ。
見上げると――
「……!?」
すでにラミアが、上から迫っていた。
「名残惜しいけど、楽しい時間はこれで終わりよ!」
絶体絶命に追い込んだ。
....と奴は、思っているんだろう。
魔力の流れが間に合わないのなら....。
流れを”2本”にして速めるだけだ。
俺は体の内側にリース&バンスを架けた。
それは火炎となり、俺たちを襲った。
「伏せろ!!」
とっさにルーナをかばう。
身を伏せると、炎が頭上を駆け抜けた。
「!?」
視線を外した隙に、ラミアが目前に迫る。
槍が振り下ろされようとしていた。
腹に血が滲む。
少し掠ったのだ。
だが、それは魔防から速さへの流動が間に合った証。
遅れていれば、串刺しだった。
「ルーナ、今すぐ避難しろ。火の粉が届かない距離まで」
「……分かった。ありがとう」
心配そうな表情だが、察しよく退避する。
……これで、奴に集中できる。
「鑑定《アプレイザル》」
魔力4000.....。ステータスに偏りなし。
つまり、弱点がなく一点突破は難しい。
「召喚《サムン》解除」
分身では歯が立たないと判断し、戻す。
「あら、お仲間さんは参戦しないの?」
「二人きりで戦うべきだと思ってな。それなら、告白を断ったお詫びになるだろ?」
挑発も込めて、建前を伝える。
「ふふっ、粋な計らいね。いいわ、二人きりの刺激的な時間を楽しみましょう?」
再び息を吐く。
今度は小刻みに。
複数の火炎が、別々の方向から迫る。
(くそっ。避けられなきゃ、速さは意味がねぇ)
その刹那、大量の火が降り注ぐ。
辺り一面が真っ赤に染まる。
呼吸のたび、肺が焼けそうだ。
……何とか魔防に振ったが、休む暇もない。奴はすぐに別の攻撃を仕掛けるハズ。
「!!」
来た。
炎で視界が悪い中、気配が。
とっさに魔力の半分を防御に回す。
構えた瞬間――
目の前の炎が裂けた。
(槍だと!?)
勢いよく迫る槍は、炎と一緒に俺を吹き飛ばす。
「はあ~い。私はこっちよ」
背後から忍び寄るラミア。
拳が迫る。
「あぐっ!」
殴られる前に槍を外し、カウンターを放った。
槍のリーチの方が、勝ったので反撃に成功する。
魔力を攻撃に回し、槍に力を込める。
「あ……あ」
よし、このまま腹を貫く――
奴の口から赤い炎が広がる。それを見て、すぐに距離を取った。
当然、速さに切り替えた上で。
「ふふっ、残念ね。私に致命打を与える絶好の機会だったのに」
余裕ぶっているが、表情には少し焦りが見える。
……とはいえ、追い詰められているのは俺の方。
(チャンスが来ても、踏み込めねぇ)
攻撃に対応するには、守りに徹するしかない。
つまり、攻めに出る余裕がない。
ステータスの切り替えに時間がかかるせいだ。
何か方法はないか……。
「間近で見て、分かったことがあるわ」
ラミアが迫る。
「あなたの能力、魔力を流すことでしょ?」
奴の手から炎が放たれる。
すぐに魔防へ流し、熱を受け止める。
「ほら、微かに”流れ”を感じるわ」
奴が背後に回った。
「魔力を貸し借りできるのも、相手を介して流せるから?」
……こいつ、洞察力が異常だ。
ラミアが槍を振る。
俺は防御の構えを取った。
そして──さらに接近したその瞬間、
「黒炎流波」
最大火力の魔法を放つ。
「あ゛っつ──」
守りに回ったと思わせておいて、あらかじめ魔法に全振りしていた。
「っ!!」
ラミアはすぐに離脱。
掠ったが、直撃は避けたようだ。
「盲点を突くなんて。侮れないわね」
肩で息をしている。
だいぶ消耗したか。
「でも、勝つのは私よ。……あなたの能力は、もう見切った」
「……それは興味深いな。ぜひ理由を聞かせてくれ」
ラミアは舌なめずりをして、口角を上げる。
「ステータスを切り替えるとき、体内に能力を架けているわね?」
見事だ。この短時間で、そこまで見抜くとは。
「……貸し借り、どちらの能力かまでは分からないけれど」
「!!」
思わず笑みが漏れる。
その言葉で、逆転の糸口が見えた。
「……で?それが分かったのと、俺の負けにはどう繋がる?」
「簡単な話よ。あなたの内側の流れ方を見れば、どのステータスに振っているかが分かる」
ラミアがエネルギーを纏い始めた。
「つまり、ガラ空きのステータスを狙えるってこと」
両手から広範囲の炎が放たれる。
俺の距離を超えて、火の波が迫る。
そして、両腕を閉じた。
左右から炎が挟み撃ちに。
周囲は火の嵐に包まれる。
逃げ道は上空だけ。
見上げると――
「……!?」
すでにラミアが、上から迫っていた。
「名残惜しいけど、楽しい時間はこれで終わりよ!」
絶体絶命に追い込んだ。
....と奴は、思っているんだろう。
魔力の流れが間に合わないのなら....。
流れを”2本”にして速めるだけだ。
俺は体の内側にリース&バンスを架けた。