Pleasure Treasure(プレジャ、トレジャ)
10、モノクローム(2)
浴室の照明の中、照らされた涼の顔は淫靡で、
やっぱりかっこよくて見とれた。
「キスして……思いっきり濃厚なやつ」
ぼ、ぼ、ぼっと顔が真っ赤になる。火照る頬を感じ、
顔をそむけたくても、顎を捕えられどうにもできない。
息をのみ込み、つま先で立った。
涼の唇にそっと唇を合わせる。
半ば押しつけるような不器用なキスでも、菫子には精いっぱいだ。
瞳を細めて、キスを続ける。
「だめ……?」
「へえ。菫子の濃厚はこの程度なんや。そんな風に教えたつもりないんやけど心外やな」
喉を鳴らして低く笑った涼は、貪るように口づけた。
思考が白濁する。
洩らす息さえ奪いつくすキスが、菫子のすべてを染め上げる。
縺(もつ)れあわせて、離れた涼は頭上から見下ろした。
意を決して再び口づけに挑む。
がくがくと体を震わせながら、涼の唇を開かせた。
もどかしげに、触れて彼の目を見る。
観察者の瞳は、菫子を食い入るように見ていた。
心臓がとまる心地で、激しくキスを仕掛ける。
彼にキスを送ったのは菫子なのに、声を漏らしたのは彼女の方。
にやりと笑った涼が、よくできたと言わんばかりに頭をなでた。
そして、再びキスの嵐。
シャワーに打たれ、お互い服を着たままびしょ濡れになった。
体の力が抜けて、思考がとろけてきた菫子は、涼にしがみつく。
力強く支える大きな体は、彼女を抱きしめて耳元で囁いた。
「……我慢できへん。もう、ここでええやん」
確認するのは優しさなのだとは思う。
「っ……や……ベッドに連れてって」
懇願を口にした菫子は、突如として高い声を上げた。
涼の指が二か所同時に触れた。
敏感なその場所は愛されることを教えた人の指先に反応する。
「……涼ちゃ……んっ」
「こんなになって……もう待ちきれんくせに」
「嫌。そんなこと言わないでよ……」
「やっぱり菫子のその目には弱いわ」
零れんばかりの大きな瞳で涼を映す。
「……お姫様のお気の向くままに」
なまりのない言葉をふいに使われると心臓に悪い。
関西弁じゃなくても会話ができるのではないだろうかと菫子は呑気に思っていた。
「……服脱がんとあかんなあ」
「……涼ちゃんのせいよ」
「恨みがましい目で見られても、そそられるだけやし」
「ええ眺めやのに、もったいない」
ぽつり、洩らされた言葉に菫子は、全身が朱色に染まるのを感じた。
シャワーを浴び続けたため下着は見事に透けて、肌を晒すよりも強い羞恥を感じる。
「……うう」
「風邪ひいたらあかんもんな。早いところ温めてやる」
涼は菫子が、ぼうっとしている隙に、勝手に衣服を脱がせた。
べったりと肌に張りついていた衣服が、消えてやけにすっきりとした気分だ。
「……む」
するりと抱き上げた彼は、ボトムを脱ぎすてて下着一枚の姿だ。
「どうせお湯以外でも濡れてるんやから、洗濯せな」
浴室の扉が開き、菫子の着ていた物も含めて洗濯機に放り投げられる。
「甲斐甲斐しいやろ」
「……もう、好きにして」
頭を涼の首に押しつけることで、顔を逸らす。
ふわり、上からかぶせられたタオルは、紳士的な涼ゆえの行動だと思った。
顔なんて、見られない。
見せられないけれど。
やっぱりかっこよくて見とれた。
「キスして……思いっきり濃厚なやつ」
ぼ、ぼ、ぼっと顔が真っ赤になる。火照る頬を感じ、
顔をそむけたくても、顎を捕えられどうにもできない。
息をのみ込み、つま先で立った。
涼の唇にそっと唇を合わせる。
半ば押しつけるような不器用なキスでも、菫子には精いっぱいだ。
瞳を細めて、キスを続ける。
「だめ……?」
「へえ。菫子の濃厚はこの程度なんや。そんな風に教えたつもりないんやけど心外やな」
喉を鳴らして低く笑った涼は、貪るように口づけた。
思考が白濁する。
洩らす息さえ奪いつくすキスが、菫子のすべてを染め上げる。
縺(もつ)れあわせて、離れた涼は頭上から見下ろした。
意を決して再び口づけに挑む。
がくがくと体を震わせながら、涼の唇を開かせた。
もどかしげに、触れて彼の目を見る。
観察者の瞳は、菫子を食い入るように見ていた。
心臓がとまる心地で、激しくキスを仕掛ける。
彼にキスを送ったのは菫子なのに、声を漏らしたのは彼女の方。
にやりと笑った涼が、よくできたと言わんばかりに頭をなでた。
そして、再びキスの嵐。
シャワーに打たれ、お互い服を着たままびしょ濡れになった。
体の力が抜けて、思考がとろけてきた菫子は、涼にしがみつく。
力強く支える大きな体は、彼女を抱きしめて耳元で囁いた。
「……我慢できへん。もう、ここでええやん」
確認するのは優しさなのだとは思う。
「っ……や……ベッドに連れてって」
懇願を口にした菫子は、突如として高い声を上げた。
涼の指が二か所同時に触れた。
敏感なその場所は愛されることを教えた人の指先に反応する。
「……涼ちゃ……んっ」
「こんなになって……もう待ちきれんくせに」
「嫌。そんなこと言わないでよ……」
「やっぱり菫子のその目には弱いわ」
零れんばかりの大きな瞳で涼を映す。
「……お姫様のお気の向くままに」
なまりのない言葉をふいに使われると心臓に悪い。
関西弁じゃなくても会話ができるのではないだろうかと菫子は呑気に思っていた。
「……服脱がんとあかんなあ」
「……涼ちゃんのせいよ」
「恨みがましい目で見られても、そそられるだけやし」
「ええ眺めやのに、もったいない」
ぽつり、洩らされた言葉に菫子は、全身が朱色に染まるのを感じた。
シャワーを浴び続けたため下着は見事に透けて、肌を晒すよりも強い羞恥を感じる。
「……うう」
「風邪ひいたらあかんもんな。早いところ温めてやる」
涼は菫子が、ぼうっとしている隙に、勝手に衣服を脱がせた。
べったりと肌に張りついていた衣服が、消えてやけにすっきりとした気分だ。
「……む」
するりと抱き上げた彼は、ボトムを脱ぎすてて下着一枚の姿だ。
「どうせお湯以外でも濡れてるんやから、洗濯せな」
浴室の扉が開き、菫子の着ていた物も含めて洗濯機に放り投げられる。
「甲斐甲斐しいやろ」
「……もう、好きにして」
頭を涼の首に押しつけることで、顔を逸らす。
ふわり、上からかぶせられたタオルは、紳士的な涼ゆえの行動だと思った。
顔なんて、見られない。
見せられないけれど。