夏休みの自由課題について
一晩中叫び続けた娘はこの時すでに命を落としていたのにかかわらず、最後に使用人をギロリと睨みつけたそして『許さない』とひとことだけ発して、その後動かなくなったのだった。

☆☆☆

「それ以降、その屋敷では夜になると床を踏み鳴らすような音が聞こえるようになったんだ」

ふみちゃんの話に全身が寒気に包まれてぶるぶると身震いしました。

まさかこんなに怖い話が出てくるなんて思ってもいませんでしたから。

「で、でも今の話を聞くと床を踏み鳴らす音じゃないよね?」

「そうだねぇ。きっとその音は床下から娘が床を叩く音だったんだ。だけどそれがいつの間にか床を踏み鳴らす音として広まった。どうしてだと思う?」
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