夏休みの自由課題について
初めての大きな家に、初めての双子の兄弟を前にして、私は緊張しながら頭を下げたのでした。

☆☆☆

立派な家に招き入れられると畳敷きの部屋に通されました。
置いてある家具もどれもレトロで、高級そうなものばかりです。

一枚板でできたテーブルの前に座布団が用意されていて、私はそこに正座しました。
「まぁまぁそう硬くならずに、足を崩していいからね」

一さんにそう言われて私はようやく笑みを浮かべ、少し足を崩して座りなおしました。

これからおふたりに話を聞くのに、足がしびれては話になりませんから。

「ほいほい、昨日ちょうど鳥原さんから水ようかんをもらったんだよ。みんなで一緒に食べよう」
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