隠れスー女の恋の行方
浴衣を着てきた自分を、ちゃんと褒めてくれた。
髪型も気にしてくれた。
そして何より、“私と一緒にいること”を嬉しそうにしてくれる。
——好き、かもしれない。
いや、もうきっと、好きなんだ。
「赤木さん、今日の取り組み、注目してるのある?」
「あ、はいっ。蒼ノ島関と、翠風関の……」
「なるほど、蒼ノ島か。今場所調子いいもんね」
「でも、翠風関って、蒼ノ島がずっと苦手にしてる相手で……」
「がぶり寄り、どうさばくかだな」
「……神崎さん、蒼ノ島の対戦相手に、やたら詳しいですよね……」
「推しの研究は基本でしょ?」
「ふふっ、ほんとそれです……!」
そうやって笑い合う時間が、たまらなく楽しい。
場内では、十両の取組が進んでいた。時折、大歓声が沸き上がる。土俵を割る音が、観客席にまで響いてくる。
そのたびに澪は、胸が高鳴った。