Blue Moon〜小さな夜の奇跡〜
永遠の幸せ
新しい年も、小夜と想は互いの愛を深めていく。
週末には小夜のピアノ演奏のあとに二人の時間を過ごした。

想の誕生日、そして小夜の誕生日も一緒にお祝いする。
出逢ったころは二十六歳と二十三歳だった二人は、それぞれ二十八歳と二十五歳になっていた。

想の仕事も好調で、新曲はリリースする度に売り上げランキングトップになる。
知名度も上がり、コンサートやテレビ出演の機会も増え、小夜はますます想に会うのに慎重になっていた。

ひた隠しにしているせいか、想の恋人の噂はいつの間にかなくなっていた。
週刊誌にも、想は自分の車で職場と自宅マンションを行き来するだけの生活と書かれた。

【あれだけ純愛ぶっておいて、あっさり別れたんだね】
【なんかがっかり。ラブソングも急に嘘くさく感じちゃう】
【想にはピュアな愛を貫いてほしかったよね】

そんなSNSのコメントに、想は、くーっ!と身悶えた。

「勝手に破局させるなってーの!」
「まあまあ。落ち着けよ、想」

本田は苦笑いで慰める。

「いい流れじゃないか」
「どこがですか!?」
「だってこれで小夜ちゃんと婚姻届を提出したってなったら、やっぱり純愛を実らせたんだ! ってプラスイメージになる」
「どんなイメージでも俺は小夜と結婚します! なにがあってもそれだけは変わりませんから」
「はいはい。ごちそう様です」

じりじりと身を焦がされる想は、週末に小夜と会う度に、熱い想いをぶつけるように小夜を愛した。
次のブルームーンが現れる日。
ただその日を待ち焦がれながら……。
< 121 / 123 >

この作品をシェア

pagetop