Blue Moon〜小さな夜の奇跡〜
残された想は防音のスタジオで一人、ぼんやりと考える。
次の曲をそろそろ書くようにと本田に言われていた。
言われたからと言ってすぐにサラサラと書けるほど、自分は天才ではない。
だがこれも音楽で食べていくには必要なことだった。
なんとか頭の中にイメージを思い浮かべようとするが、上手くいかない。
そもそも曲は、机に向かっている時ではなく、ふとした日常の中でひらめきのように降ってくることが多い。
少なくとも自分はそういうタイプだと想は思っていた。
それに自分が書きたい曲、イコール売れる曲でもない。
「流行りとか、若者が好きそうな感じで書いてくれよ。サビが癖のある感じで耳に残って、なんならちょっと振り付けして踊れるやつ」
そう本田に言われた時は、頭を抱えそうになった。
(確かに今、そういう曲が流行ってるもんな。それに寄せて書いてみるか)
己の感情は切り離し、まるでデータ分析のように耳に残りやすい旋律や、ノリのいいリズムを考えていく。
(いやー、なんか中途半端。面白くもなんともない。CMソングとか考える人、天才だな)
四苦八苦しながら、なんとか一曲書き終えた。
だが達成感よりは疲労感の方が強い。
本当にいいものが書ける時は、まるで音楽の神様から力を注いでもらったように、パーッと頭の中にメロディが流れ始める。
それを自分の感情のままに膨らませ、命を与えるように紡いでいくのだ。
そうやって生まれた曲は、もはや自分の一部とさえ思える。
(久しぶりにそういう感覚で書きたい)
ふとそう思い、気持ちを開放して目をつむる。
心に浮かぶものはなにか。
今、自分が感情のままに書きたいものとは?
(……セレナーデ。あの夜に想いを馳せた小夜曲)
忘れなければと思ったばかりだというのに、どうしても忘れられなかった。
次の曲をそろそろ書くようにと本田に言われていた。
言われたからと言ってすぐにサラサラと書けるほど、自分は天才ではない。
だがこれも音楽で食べていくには必要なことだった。
なんとか頭の中にイメージを思い浮かべようとするが、上手くいかない。
そもそも曲は、机に向かっている時ではなく、ふとした日常の中でひらめきのように降ってくることが多い。
少なくとも自分はそういうタイプだと想は思っていた。
それに自分が書きたい曲、イコール売れる曲でもない。
「流行りとか、若者が好きそうな感じで書いてくれよ。サビが癖のある感じで耳に残って、なんならちょっと振り付けして踊れるやつ」
そう本田に言われた時は、頭を抱えそうになった。
(確かに今、そういう曲が流行ってるもんな。それに寄せて書いてみるか)
己の感情は切り離し、まるでデータ分析のように耳に残りやすい旋律や、ノリのいいリズムを考えていく。
(いやー、なんか中途半端。面白くもなんともない。CMソングとか考える人、天才だな)
四苦八苦しながら、なんとか一曲書き終えた。
だが達成感よりは疲労感の方が強い。
本当にいいものが書ける時は、まるで音楽の神様から力を注いでもらったように、パーッと頭の中にメロディが流れ始める。
それを自分の感情のままに膨らませ、命を与えるように紡いでいくのだ。
そうやって生まれた曲は、もはや自分の一部とさえ思える。
(久しぶりにそういう感覚で書きたい)
ふとそう思い、気持ちを開放して目をつむる。
心に浮かぶものはなにか。
今、自分が感情のままに書きたいものとは?
(……セレナーデ。あの夜に想いを馳せた小夜曲)
忘れなければと思ったばかりだというのに、どうしても忘れられなかった。