Blue Moon〜小さな夜の奇跡〜
続いての曲は、ジャズでもよく演奏される『White Christmas』
聴き惚れていた小夜は、拍手の音でハッと我に返り、慌てて控え室のドアを閉めた。
(いけない、着替えないと)
衣装カバーのファスナーを開けて、中から赤いドレスを取り出す。
オフショルダーの七部袖で、スカートは張りがあり、ふわりとしたシルエットのドレスだった。
(うん、クリスマスっぽい)
着替えると、鏡で全身をチェックする。
胸元にはチョーカーを、髪飾りは白いファーをつけた。
ステージメイクを終えると、再びドアを開いて様子をうかがう。
窓から月明かりが射し込む中、ライトを浴びて演奏する光の姿に、思わずドキッとする。
先程よりも一層店内はロマンチックムードで、恋人たちから感嘆のため息が聞こえる気がした。
光のソロのラストナンバーは『いつか王子様が』
耳馴染みのある曲が、まるで初めて聴く曲のように、魅惑的に艶っぽく演奏される。
(はあ……、もうとろけそう)
やがて余韻をたっぷり残して演奏が終わる。
静寂が戻ってきても、名残惜しむように観客は表情を変えない。
ようやく拍手が起き、光は笑顔で立ち上がった。
小夜も一番後ろから拍手を贈る。
深々とお辞儀をしてから、光は右手を小夜の方に差し伸べた。
観客に一斉に振り返られ、小夜は笑みを浮かべながら光のもとへ向かう。
光はステージの段差を上がる小夜の手を取ると、そのままグッと抱き寄せた。
「どう、惚れた?」
耳元でささやいてくる光に、小夜は正面を向いたまま答える。
「音にはね」
「ふっ、じゃああとちょいだな」
なにを言ってんだか、と思いながら、小夜は光と並んでお辞儀をする。
そしてそれぞれピアノに向かって座った。
聴き惚れていた小夜は、拍手の音でハッと我に返り、慌てて控え室のドアを閉めた。
(いけない、着替えないと)
衣装カバーのファスナーを開けて、中から赤いドレスを取り出す。
オフショルダーの七部袖で、スカートは張りがあり、ふわりとしたシルエットのドレスだった。
(うん、クリスマスっぽい)
着替えると、鏡で全身をチェックする。
胸元にはチョーカーを、髪飾りは白いファーをつけた。
ステージメイクを終えると、再びドアを開いて様子をうかがう。
窓から月明かりが射し込む中、ライトを浴びて演奏する光の姿に、思わずドキッとする。
先程よりも一層店内はロマンチックムードで、恋人たちから感嘆のため息が聞こえる気がした。
光のソロのラストナンバーは『いつか王子様が』
耳馴染みのある曲が、まるで初めて聴く曲のように、魅惑的に艶っぽく演奏される。
(はあ……、もうとろけそう)
やがて余韻をたっぷり残して演奏が終わる。
静寂が戻ってきても、名残惜しむように観客は表情を変えない。
ようやく拍手が起き、光は笑顔で立ち上がった。
小夜も一番後ろから拍手を贈る。
深々とお辞儀をしてから、光は右手を小夜の方に差し伸べた。
観客に一斉に振り返られ、小夜は笑みを浮かべながら光のもとへ向かう。
光はステージの段差を上がる小夜の手を取ると、そのままグッと抱き寄せた。
「どう、惚れた?」
耳元でささやいてくる光に、小夜は正面を向いたまま答える。
「音にはね」
「ふっ、じゃああとちょいだな」
なにを言ってんだか、と思いながら、小夜は光と並んでお辞儀をする。
そしてそれぞれピアノに向かって座った。