Blue Moon〜小さな夜の奇跡〜
部屋のチャイムを鳴らすと、すぐにドアが開く。
次の瞬間、グイッと腕を引かれ、気づくと想の胸に抱きしめられていた。

「……想? どうかしたの?」
「会いたかった」
「え?」
「俺のところに戻ってきてくれて、嬉しい。どこにも行くな、小夜」

切なげに耳元でささやかれ、小夜はそっと想の腕に手を添える。

「どこにも行かないよ。ずっと想のそばにいさせて」
「ああ。ずっとここにいろ」
「うん……」

想の胸に頬を寄せ、温もりを感じながら、小夜は幸せを噛みしめる。

(ここにいていいんだ。想は私を守ってくれている)

そう信じられた。
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