砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
私はそのお姿を見るたび、胸が痛くなった。

どうして、こんなにも寂しそうに笑うのだろう。

どうして、誰もその心に触れようとしないのだろう。

……本当は、私が触れたかった。

たとえ侍女でも、ただの女でも。

せめて、王の孤独な夜を癒すことができたなら。

それだけでいいと思っていた。

カリーム王との出会いは、ユリーナ様の夜伽の時だった。

まだ侍女になったばかりだった私は、夜伽のことなど何も知らず、ただ洗面の器を取りに行こうと寝所の戸を開けてしまった。

その奥にあった光景――それは、息をのむほど艶やかで、美しかった。

王は、いつもの正装ではなかった。

濃紺の薄衣を羽織ったまま、長く艶やかな髪を三つ編みにしており、その編み目の先が、ユリーナ様の裸の肩をなぞっていた。
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