色褪せて、着色して。~番外編~
 国家騎士の頂点はシノビ(ニンジャ)と呼ばれる暗殺部隊とされる。
 勿論、肉体班の頂点は国王なのは変わらない。
 国王の次…実質、騎士としてのナンバーワンはシノビの中で国王が任命する。
 メグミは生まれたときから、弱視であったにも関わらず。
 業績から国王に気に入られ、ナンバーワンとなった。

 生まれたときから、ほとんど目が見えないというのに。
 メグミは強かった。
「見えないから、冷静に動けるのであろう」
 と、メグミは言った。

 そんなメグミの弱点は、思いやりなのだと言う。
「ローズ様をお助けするのが我々の仕事のはずなんだがなあ」
 敵から自分を犠牲にして国王を守ったメグミは、褒められるはずが。
 国王の逆鱗に触れ、「消えろ」とクビ宣告されたそうだ。

 メグミのぼやきに、デイはぼりぼりと頭を掻いた。
「デイ、君にはある方の護衛がメインになる」
「…御意」
 風の噂では聞いていたが。
 ついに、国王の寵姫を見られるのかとデイは、白いベッドを眺めながら思った。
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