AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
「ははっ、瑠奈はちゃんと食べときなよー」
「わかったー」

 後ろ手に瑠奈に手を振り、抜け出した窓へと進む。

 風が吹いていた。初夏を感じさせる日差しのもと、宝瑠の影が徐々に伸びて形を変える。

 ふいにチャイムが鳴り響く。まだ時間は残されているはずなのに、鳴り響いてやまない。

 宝瑠は校内の廊下で後ろを振り返った。いつの間にか屋上は消えていて、瑠奈の姿もなかった。

 チャイムの音が、規則正しく鳴り響いていた。

 頭の近くで、ピピピピピ……と。やがて電子音に変わって、薄暗い部屋が視界に入った。

 宝瑠は枕元に置いたスマホに手を伸ばし、六時にセットした目覚ましを止めた。

 ぼんやりとした視界を整えるため、数回まばたきをする。天井と部屋の壁を眺めた。

 真っ白な天井には丸いシーリングライト。豆球の明かりが目に優しい。壁の一面だけが薄紫色になったアクセントクロス。小さな学習机の横には三段のカラーボックスが置いてある。

 壁に設置した棚には、象やキリン、うさぎやペンギンといったぬいぐるみが並び、ファンシーな空間を作り上げている。

 そういえば、昨日は日葵の部屋に布団を敷いて寝たんだっけ……。

 そう思うと同時に、すうすうと聞こえる寝息に気がついた。ふと隣に目を向ける。
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