AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 宝瑠は「うん」と頷き、今し方淹れてくれたマグカップを受け取った。

「けど、仕事の要領うんぬんは見てないから何とも言えないけど」

 同じようにカップを持ち上げた久々津が、ぽつりと要らぬひとことを言い、「こら、今のが台無し」と突っ込みを入れる。彼はふっと口元を緩め、笑った。少し眉を下げ、柔らかく、くすくすと。顔を崩して笑っていた。

 ……わ。

 その表情を見て、宝瑠はぱちりと瞬きをした。不思議と胸が熱くなる。熱くなり、その奥がかすかに絞られるような痛みを覚える。

 こんなふうに笑うの、初めて見たかも……。

 ブラックコーヒーに口をつけ、ふぅ、と小さく息をつく。思いがけず、ときめいてしまった自分を誤魔化すように、宝瑠はコーヒーを飲んだ。

「あ」とまたひとつ思い出して声をかける。「久々津さん」と名前を呼び、宝瑠は小野寺についての話を振った。

「私……。小野寺くんと、ちゃんと話し合おうと思うんだけど。彼にだけ、“ママ契約”の話をしてもいいかな?」
「……え」
「久々津さんに。日葵ちゃんがいること……小野寺くんにだけ打ち明けてもいい?」

 久々津は表情を消し、しばし考える素振りを見せた。コーヒーを飲み、「なるほど」と相槌を打った。

「まぁ、“ツーカー”だもんな。別に構わないけど」
「ほんと?」
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