AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 チャットAIの対話エンジンを使った新たな試みに興味を持ったという地方企業の代表者から、「一度、話を聞かせてほしい」と打診があったのだ。

 場所は札幌。医療や介護への応用を視野に入れた社会福祉系のプロジェクトで、AIチャットを導入したいという話だった。

 報酬は交通費と少額の契約金。それでも当時の天喜には充分すぎる話だったし、若さもあって気軽に北海道行きを決めた。

 打ち合わせは昼には終わった。
せっかくだからと車を借りて、海の見える場所まで少し走ってみようと思った。

 その矢先——郊外にある殺風景な橋の上で、ぽつんと立ち尽くすひとりの女の子がいた。制服ではなかったが、背格好や雰囲気からして、高校生ぐらいの子だとわかった。

 ただそこに立っているだけのようにも見えた。だがその足は、今にも欄干を越えようとしていた。

 心臓がひやりと跳ねた。何かに急かされるように、天喜は車を急停車させて外に飛び出していた。

 自分でも、なぜあんなに焦っていたのか、未だによくわからない。

 気づけば彼女の腕を掴み、引き寄せていた。

 その身体は、抗う力を失った人形のようだった。がりがりに痩せて冷えた身体。彼女は天喜にもたれかかるように立ち、ただ俯いていた。

「なにやってんの?」

 天喜は彼女の肩にそっと手を置き、顔を覗き込んだ。彼女は虚ろな目でぽつりと呟いた。
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