AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 宝瑠自身の顔がその画像に似ていて、そのことがきっかけで“ママ契約”なるものを始めたのだ。

 そんな、子供を騙すような家族ごっこをしていることが、もしSNSで晒されたら。

 考えるだけで恐ろしい。全身から血の気が引く思いがした。

 見えない悪意が、大きな塊となって押し寄せる。頭上に黒い波が迫ってくるような、そんな感覚がした。

「そっ、それなら、退会して、アプリを消せば……!」
「——いや」

 焦燥に駆られ、宝瑠は急いでスマホを掴んだ。しかし、小野寺がそれを制止した。

「端末で消しても……運営(むこう)には一定期間、残るはずだから。すぐ削除するのは難しいと思う」

 彼の現実的な言葉が、ガラスの破片のように、宝瑠の胸に突き刺さった。
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