AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 部長は事の経緯を説明し、即帰社するように命じた。会社としての対応が決まるまで、自宅で待機していてほしいと。早い話が期限のわからない謹慎処分が下された、というわけだ。

 会社としては、今日一日は火消しに集中したい。炎上した当人が職場に残っていると、噂や冷やかしの対象になるし、業務に支障が出る。また、社員や取引先から「本人に会わせろ」と言われる可能性も大いに出てくる。

 早期に帰すほうが合理的。管理職や人事はそう判断した。

「午後には経営会議があるから、それまでは会社としての結論は出せない」

 そう言い渡され、胃の底に鉛のような塊がズシリと沈んだ。

 宝瑠は鎮痛な面持ちで、唇を噛んだ。無言で目を伏せ、部長に深々と頭を下げた。

 執務スペースに戻ると、電話の応対は依然として続いていた。

 宝瑠は即座に荷物をまとめ、退社しようと思った。部下や同僚たちに多大なる迷惑をかけている。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「ジュエル先輩っ」

 無言でその場を立ち去ろうとしたとき、いつものあどけない、可愛らしい声で呼び止められた。桃子だった。

「あたしのことは晒さないでくださいね?」

 彼女はそう言いながら、いやらしく瞳を三日月型に細めた。その瞬間、だれかが「ぷっ」と吹き出し、クスクスと笑う声が聞こえた。
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