AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 宝瑠は日葵の手を引き、一度公園の外に出た。「ママ?」と日葵が不思議そうに宝瑠を見上げた。

「ごめんね、会えないって言ったけど。心配になって来ちゃった」
「ううん、ひま嬉しい!」

 宝瑠は日葵と目線を合わせるように屈んだ。

「お父さん、お家にいるのよね?」
「うん」
「これから、お姉さんがお家まで送って行くから……お父さんと少しお話しさせてもらってもいいかな?」

 そう言った途端、日葵の顔がぱぁっと明るくなった。「ママ、うちにきてくれるの!?」と続け、目が爛々と輝いている。純真無垢な雰囲気におされ、いっとき言葉を失う。

「あのね。電話でも話したけど……私はママじゃなくて」
「……うーん?」

 日葵は眉を下げ、しばし考え込むように視線を泳がせた。

「じゃあお名前なんてゆーの? なんて呼べばいい?」
「えっと……四ノ宮、でいいよ」
「しのみや……しのみやさん……しのみや、なにちゃん?」
「うーん……ただの四ノ宮」

 日葵はきょとんとし、ぱちぱちと目を瞬いていた。おそらくは意味がわからないと思っているのだろう。

 正直、フルネームを言うのは嫌なのだが、子供相手に気にすることでもないか。宝瑠は観念した。

「四ノ宮、宝瑠(じゅえる)です」
「……じゅえる」

 ぽつりと呟き、日葵の顔にまた笑みが戻る。

「かわいいお名前! じゃあじゅえちゃん、だね!」

 宝瑠は曖昧に笑い、立ち上がった。乗って来た自転車を出し、日葵とともに彼女の家へ向かうことにした。
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