AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。


 ***

 玄関扉を施錠し、久々津(くぐつ) 天喜(あき)はため息をついた。

 リビングへ戻り、キッチンの戸棚からまた別のマグカップを取り出し、ふと先ほど交わした宝瑠との会話を思い出していた。

「光源氏計画とか……我ながらドン引きのワードチョイス」

 ははっ、と頬を緩ませ、天喜はインスタントコーヒーの蓋を開ける。スプーンでひと匙をすくい、カップに入れる。

 湯を注ぎ入れ、黒く満たされるカップをぼうっと見つめた。

「本当の母親探し……」と呟き、またため息を落とす。

 ——「日葵ちゃんの本当のお母さん。探して、会わせようと思う」

 ……クソ、なに勝手なこと言ってんだ、ふざけんなよ。

 心の中で密かに悪態をつき、「めんどくさい女」とひとりごちる。

 四ノ宮 宝瑠……。あの女、どうにかして屈服させてやりてぇな。

 天喜は顔をしかめ、コーヒーをひとくち飲んだ。あの顔がいけない、と思う。

 あいつのあの顔を見ていると、支配欲に似た欲望がむくむくと湧いてくる。きっと自分の好み、だからだ。そうだ、自分の好みに“合わせて”あの容貌を作ったんだ。

 今まで静止画として見ていたものが、実際に動いて喋ってる。嘘だろって思うのが普通だ。だからこそ、日葵の反応は至極 当然のもの。

 しかし、だ。
< 84 / 413 >

この作品をシェア

pagetop