異次元からの彼(ショートショート版)

異次元の悪魔を呼び出してしまった。

カナエがシャポロを呼び出してしまったのは、偶然であって運命だった。
パパが脅されて家族が半グレに殺された。

ネットで「呪い」や犬神・使い魔を調べてたら、匿名の恨み掲示板。ほんとに匿名で願いを書いて、自分で呼び出す儀式するんだっていうから「できるかな」って藁に縋った。

そしたら。出た。

チョークでフリーリングの床に書いた輪っかと呪文が光って、美男で裸で背中に羽。

「うそ! うそでしょ? うっそ!」

信じらんない。あり得ない。夢だと思った。

「パパとママとお姉ちゃんの復讐だな」

「は、はい? あなたは?」

「異次元の悪魔シャポロ」

「私カナエです。夢ですか」

「現実ですよ。お嬢さん」

ふつーだったら怖くて逃げる。でもそのときにはなにかすがりたかったから、ワンワン泣いてしまった。どっか、好みのタイプだったし。
< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop