15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
私は目をぱちくりさせた。

「えっ……えっ? 急に冷静じゃん。」

「俺だって、ひよりが大事だもん。焦って結婚して、ひよりに後悔されたら……それこそ悲惨だよ。」

玲央さんは、私の手を取り、そっと指先をなぞるように撫でた。

「本気で一緒になりたいなら、タイミングも大事だろ?」

私は胸がじんわり熱くなった。

(……こういうとこ、ずるいんだよ。大人すぎて。)

それでも私は、小さく微笑んで頷いた。


「もしかして、あの誕生日の夜から、結婚を意識したのは私だけ?」

そう呟いたあと、自分のグラスの中で揺れる氷をぼんやりと見つめた。

玲央さんにとっては、ただの通過点だったのかもしれない。

そんな思いが胸に広がって、なんとなく落ち着かない。

さくらは、そんな私の様子にすぐ気がついた。

「うーん……確かにさ、一回に重きを置くのって、どうかと思うよね。」

珍しく真面目な声。さくらはスプーンをクルクル回しながら、小さく続ける。
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