15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
玲央さんがこの家で育ったということ、そして、この家族とこれから関わっていくということを、私は今実感していた。

玲央さんが、ふっと目を逸らした。

たぶん、彼にとって“家族”という存在は、少し面倒で、でも本当はあたたかい場所なんだろう。

その“間”に、私は入っていくんだ。

「……あの、私、ひよりの父の橘と申します。本日は……その、父親として、同席を……」

「おお、そうでしたか!」

晴臣さんは笑いながら、すっと父に近づき、力強く握手を交わした。

「ご挨拶ありがとうございます。お嬢さん、しっかりした方ですね。あれは……ひよりさんが育ちの良さを自然と身につけておられる証拠ですよ。」

「あ、あの、それは……いや……恐縮です……」

父はどんどん小さくなっていった。

まるで“娘の彼氏の父”ではなく、“上司の会長”に面談されているかのよう。
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