15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ところで、誠に勝手ながら──」

玲央さんのお父さん、一ノ瀬会長が、ふと声を低くして口を開いた。

「ひよりさんのことを、少し調べさせていただきました。」

ドキン。

心臓が跳ねる。

胸の奥で、見えない何かがギュッと縮こまった。

何? 何も悪いことなんてしていない。

でも、その言葉の響きだけで、足元がぐらりと揺れる。

「大学は有名大学。成績もよろしい。バイト先での評判も申し分ない。素行も優良。」

さらりと語られる“調査結果”。

まるで履歴書を読み上げるような口調なのに、ひとつひとつの言葉に心が緊張していく。

「──まあ、悪くはないでしょう。」

そう結んだ会長の言葉に、私は思わず姿勢を正した。

誇れるようなことではない。でも、少なくとも恥じることはしてこなかった。

そう、自分に言い聞かせる。

そのとき、お母さんと会長が、ふと目を合わせる。

一瞬の沈黙。

「ただね──」

その“ただ”が怖い。
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