15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜

第2章 恋に落ちるのは、ほんの数日だった

そして翌日、玲央さんは私服で現れた。
白地に淡いグレーのラインが入ったシャツ。

いつものスーツ姿とは違って、少しだけ砕けた雰囲気。でも、それがまた彼によく似合っていた。

「今日は、お仕事はないんですね。」

「うん。午前中で片付けてきた。」

そう言って微笑むと、手に持っていた包みを差し出してくる。

「はい、今日の分。」

「えっ、また……?」

差し出されたのは、淡いピンクと薄紫の花があしらわれた、小ぶりなブーケ。

見惚れるような色の取り合わせに、思わず息を呑む。

「毎日、買うのは苦じゃないですか?」

私がそう尋ねると、玲央さんは肩をすくめて笑った。

「なあに。逆に花屋と馴染みになったよ。名前、覚えられちゃった。」

「ふふっ。」

ふと、ブーケの中に、小さな白いカードが挿してあるのが目に入った。

「あれ……これ、何か書いてあります?」
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