15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
彼が帰ったあと、病室の静けさが戻る。

私は枕元のテーブルに視線を落とした。

ふと、さっきのブーケに添えられていたメッセージカードが気になって、指先でそっとつまむ。

表には、丁寧な字で小さく名前が書かれていた。

「一ノ瀬玲央……」

どこかに仕舞っておこうかと思ったけれど、気づけばスマホを手に取っていた。

胸の奥で、知らなくてもいい何かを知ろうとしている、自分がいた。

検索窓に名前を打ち込むと、すぐにいくつもの候補が表示された。

【一ノ瀬玲央 副社長】【一ノ瀬玲央 経歴】【一ノ瀬玲央 CM】

「……やっぱり。」

画面に出てきた写真の中の彼は、スーツ姿で真剣なまなざしをしていた。

今まで見たことのない、仕事の顔。

でも、どこかで見たことがあるような気もする。

そう思いながらスクロールしていくと、ひとつのリンクが目にとまった。

『副社長の一日』という社内ブログ。
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